今日は屋根の勾配(角度)について書いておきたいと思います。
屋根は住宅の外観を決める重要な要素の一つ。
屋根にはいろんな形状があります。
陸屋根(りくやね・ろくやね)は防水メンテナンスが大事
最近では太陽光発電を設置しやすいということで選ばれることもある陸屋根という平坦な屋根形状ですが・・・
個人的にはオススメできません!
いきなりブッコミましたが、理由は日本は雨が多い国だから。
陸屋根は屋根が平坦なため、雨水を排水するのが大切なんです。
その排水のためのマスや排水構造が詰まってしまったり、防水層に亀裂が入ったりすると即雨漏りの元になってしまうんです。
画像引用元 SUUMOより
平らな屋根よりも角度のついた屋根の方が雨に対しては強いのは感覚的にもお分かりいただけますよね。
っということで、陸屋根は防水メンテナンスは必ず定期的にやってあげてくださいね。
または、屋根に適度な角度がついたお家にしてあげてくださいね。
屋根勾配とは?
屋根の角度のことを屋根勾配(やねこうばい)と言います。
実際の角度ではなく、昔ながらの尺貫法で呼ばれています。
水平方向に10寸いった時に、垂直方向に何寸なのかによって決まります。
左の屋根は10いって、3上がるので3寸勾配。
右は10いったときに10上がるので10寸勾配。
10寸勾配(45度)の時だけ、特別に矩勾配(かねこうばい)と呼ばれます。
角度が急な10寸勾配の方が3寸勾配よりも水の排水スピードは速くなります。
雨の排水だけで言えば屋根勾配はキツイ方が良いです。
屋根勾配は4寸~5.5寸勾配がオススメ
先ほど、雨の排水のためには屋根勾配がキツイ方がと書きましたが、実際には4寸~5.5寸勾配がオススメです。
最近の瓦では2.5寸勾配という緩勾配(かんこうばい)から対応できる瓦も作られていますが、4寸勾配からがイイです。
勾配が緩いと雨プラス風の影響で水が上方に上りやすくなってしまうから、注意が必要ですね。
逆に勾配はきつければキツイ方が良いのでしょうか?
雨だけのためで言えば、キツイ方が排水は良いです。
実際の施工やアフターメンテナンスのことまで考えると5.5寸以下がオススメです。
6寸以上の勾配になると屋根上に立っているのですら困難な状態になります。
6寸以上になると通常の足場+屋根足場というジャングルジムのような縦横の足場が必要になってきます。
立っているだけでも大変な状況ですので、作業性も悪くなるため施工費も上がります。
屋根のメンテナンスの際にも屋根足場が別途必要になってくるので、そこも計算に入れておく必要があります。
瓦以外の屋根材では経年劣化によって色の塗り替えが定期的に必要になりますが、その都度屋根足場代も追加で掛かるのでメンテナンスコストが上がってしまいます。
デザイン性は凄くオシャレでカッコイイんだけど、屋根上の作業やアフターメンテナンスということまで考えると4寸~5.5寸勾配がオススメです。
デザイン性もこだわりポイントの一つだと思いますが、この話も含めて検討してみてくださいね。
すでに急勾配のお家にお住まいの方は、修理費が通常よりも高くなる理由があるってことを知っていただけたらと思います。